ビットコイン（BTC）のマイニングと聞くと、アメリカ、中国、カザフスタン、ロシアを思い浮かべるのではないだろうか？現在、中東のマイニング国として、アラブ首長国連邦（United Arab Emirates：UAE）が注目を集めている。UAEには30以上の自由貿易地域があり、またビットコインマイニングのハッシュレートへの貢献度が高いなどの理由で、暗号通貨企業にとってWeb3を推進する国として注目されている。
UAEのマイニングを後押ししているのはアブダビの政府系ファンドである。暗号通貨マイニングのマラソン・デジタル・ホールディングス (Marathon Digital Holdings)は2023年5月9日、アブダビの政府系ファンドのデジタル資産部門ゼロツー（Zero Two）と提携し、アブダビ内でマイニングサイトを開発する計画を発表した。両社はAbu Dhabi Global Markets JV Entity（ADGM）を設立し、アブダビ内に合計250メガワット（MW）の規模のマイニングサイト2つを設立する予定である。
UAEには現在、約400MWのビットコインマイニング能力があると推定されている。この数字はビットコインの全世界のハッシュレートの約4％を占める。この数字から、暗号通貨マイニング業界におけるUAEの影響力が高まっていることが見て取れる。
UAEは産油国であり、元々、石油と天然ガスの埋蔵量が豊富である。しかし、UAEは近年、エネルギーを太陽エネルギーや原子力エネルギーへとシフトしている。その結果、UAEの電力供給は急成長をしている。そして、エネルギーのシフトと電力供給の急成長によって余ったエネルギーは暗号通貨マイニングに利用される暗号通貨マイナーは安定したエネルギーを確保できるのである。
UAEはエネルギーの安定供給と税制の優遇により、世界中の暗号通貨マイナーから注目を集めている。
マイニングプールのルクサー（Luxor）のアナリストであるジャラン・メレルド（Jaran Mellerud）氏は、「UAEは今後2、3年で、ビットコインマインニングにおける重要な国となり、他の中東諸国のケーススタディとなるでしょう」と語る。
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